東京大学
東京大学で人文学に関連する分野を扱っている学部・学科は、主に文学部(本郷キャンパス)と教養学部(駒場キャンパス)の2つです。
おすすめ学科一覧
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歴史学系
東京大学 文学部人文学科 美術史学専修
研究内容
学問概要
美術史学はイメージ(図像)、つまり地域・時代を問わない絵画、彫刻、工芸、服飾、近年はデザイン、広告など、を扱う歴史学の一分野です。作品そのものだけでなく、作品を取り巻く歴史や制作者・購入者などの関係者、長い歴史の中での作品や人物同士の影響関係、作品のタイトルやお金のことなど、様々なことを研究します。東大では、伝統的に古代~近代(20世紀前半)までの絵画・書画・絵巻・版画・彫刻などの研究が盛んです。
基本的な書籍
講談社学術文庫『興亡の世界史』全21巻*「美術史学」についてヴァーノン・ハイド・マイナー著・古城寺尚子ほか訳『美術史の歴史』ブリュッケ、2003ダナ・アーノルド著・鈴木杜幾子訳『美術史(〈一冊で分かる〉シリーズ)』岩波書店、2006*各美術史について桝屋友子『すぐわかる イスラームの美術』東京美術、2009美術出版社の『カラー版 ○○史』
留学
西洋美術史・イスラム美術史を専門とする学生が博士課程進学後留学することが多く、行き先は専門に関する教授がいる、対象に関する研究が盛ん、などで選びます。海外で博士論文を提出する人もいます。日本美術史を専門とする場合、留学の必要はほとんどありませんが、研究対象の作品があるアメリカなどへ留学する学生はいます。学部生での留学はあまりいません。
時間割・授業
特定の分野や地域の歴史の概略を学べる講義や語学の授業を履修することが多いですが、最も重要なのはゼミです。ゼミでは地域や時代で分かれ、卒論の指導が基本的な美術の歴史を学ぶような授業はほとんどなく、自分で学ぶことが求められます。また教授の専門分野に関する講義や欧文文献を読む授業を通じて、多様な対象・考え方に触れ、美術史学についての理解を深めます。加えて哲学、美学、歴史学といった関係の深い学問が必修となっています。また、関西地方の寺社仏閣・美術館への研究旅行では、多様な作品に触れつつ、実際に見る際の方法の実習を行います。
卒論
卒論で取り上げる対象とテーマの選択は各人に委ねられる為、自分の好きな時代・地域・作品形式・テーマを選んで書くことができます。ただ、基本的に古代~近代の美術品(絵が描かれているモノ)・画家・流派を選ぶことが推奨されますので、服飾・宝飾・現代アートを選ぶ学生はあまりいません。卒論の方向性としては、1つの作品を比較によって掘り下げていく、画家が先人や社会、文化から受けた影響や後世に与えた影響を作品から解き明かしていく、といったやり方を取る学生が多いです。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
ミケランジェロや葛飾北斎、古代ギリシアの彫刻など、世界史や日本史の文化史で扱われる人物や工芸品はほとんどが美術史学の対象です(音楽関連は音楽史・楽理学)。作品と制作者を取り巻く政治・経済・宗教・文化的背景の理解には、世界史・日本史、倫理、古典、地理の知識が、作品を作る方法の理解や年代特定には化学の知識が役立ちます。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
全体の傾向としては出版系がやや多いですが、特に大きな偏りはなく様々な就職先があります。院卒では就職よりも学芸員や研究者になる人が多いです。学芸員は基本的に修士号以上が求められる為希望する場合は院進しなければなりません。院進する生徒は毎年2~3割、他大学からの進学者もいます。
関連する資格
学芸員資格の取得者が多いですが、図書館司書資格や教員免許を取得する人もいます。教員免許は古典や世界史、社会科が多いです。
学生の声
楽しいこと
研究を通じて様々な時代・地域・形式の作品に出会えることが一番の楽しみです。世界は広く、歴史は長いですから、どんなに勉強しても勉強しても新しい出会いがあります。また、身近にあるアート・美術・芸術に気付いたり、別の学問やドラマ、小説といったコンテンツの別の楽しみ方を得たり、と世界が広がっていきます。
できないとつらいこと
何よりも語学です。どの分野を研究するにしても英語ができることが最低限で、更に各研究対象によって必要な言語が複数あります。得意である必要はありませんが、最低限読めないと使える資料の数に大きな差が出ます。あとは資料や作品を見つけ出す為の忍耐力が重要です。
その他
学費・研究費用
研究に関わる展覧会見学費や書籍購入代などは基本的に自己負担で、特に旅費と資料費が大きいです。古い資料の多くは電子化されておらず、購入や複写にお金がかかります。また学問の性質上、実見が重視されますので、作品を直接見るために旅費や見学費もかさみます。特に西洋美術史・イスラム美術史は、日本国内に作品が無い場合が多いので、なるべく一度で見れるよう、下調べが欠かせません。
東京大学 文学部人文学科 宗教学宗教史学専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。東京大学 文学部人文学科 宗教学宗教史学専修について紹介します。
東京大学 文学部人文学科 東洋史学専修
研究内容
学問概要
東洋史学専修課程は、中国や韓国などの東北アジア、カザフスタンなどの内陸アジア、インドなどの南アジア、インドネシアやタイなど東南アジア、イランやサウジアラビアなどの西アジア、モロッコなどの北アフリカ・イベリア半島といった広大な範囲を対象とした歴史を研究するところです。学生はそれぞれ地域と時代、対象(政治や宗教、文化など)を自身のテーマとして選ぶことができます。特定の地域の研究だけでなく、「西洋史」に対する「東洋史」やオリエントという枠組や西洋的なものの見方にとらわれない方法論なども考えていくことが必要です。筆者はスぺオン植民地時代の17世フィリピンに住んでいた中国人について研究しました。
基本的な書籍
講談社学術文庫『興亡の世界史』全21巻講談社学術文庫『中国の歴史』全12巻「一般書」ですが、講談社の『興亡の世界史』や『中国の歴史』は、読んでおくとよいと思います。「一般書」とは、研究者向けの「専門書」と違って細かい注釈がない一般の人向けの本です。一般書でも研究者が書いている本は多いです。『興亡の世界史』は西洋史も含みますが、東洋史でも例えば植民地時代の研究をする場合など、西洋史の知識が必要な場合は多いです。(筆者がそれです。)
留学
学部生で留学することは少ないです。大学院進学後に史料のある国に留学することが多いです。史料調査のついでにその史料言語の語学力も高められます。
時間割・授業
特定の分野や地域の歴史の概略を学べる講義や語学の授業を履修することが多いですが、最も重要なのはゼミです。ゼミでは地域や時代で分かれ、卒論の指導があります。定期的に研究の状況をレジメにまとめて発表します。
卒論
東洋史学ではとにかく史料を読むことが重視されます。研究する時代と同時代の人が書いた史料が最も重要です。卒論は自分で設定したテーマの考察をするものですが、その際に史料を根拠とする必要があります。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
高校のうちに世界史をしっかりと学んでおくことが重要です。東洋史学に進学すると、専門的なこと、つまり狭い分野のことを研究するようになります。そうなると他の地域や時代のことを勉強することが難しくなるため、世界史の知識をあらかじめ身につけておくことが必要です。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
学部の卒業生は一般企業への就職が多いです。大学院へ進学する人は少ないと思います。大学院へ進学すると、語学力を生かして大学の第二外国語の非常勤講師をやる人が多いイメージです。
関連する資格
教員免許を取る人が多いと思います。
学生の声
楽しいこと
好きな歴史にどっぷりつかれるのはやはり楽しいです。特に史料の原文を読むのは、昔の人の話を聞くようで楽しいです。
できないとつらいこと
史料の原文を読むことが必須です。言語は英語の他、最低限1つは習得した方がいいと思います。英語の論文はほぼ必ず読むと思います。
その他
学費・研究費用
史料や参考文献を他の大学の図書館や海外から取り寄せる場合、自費になることが多いです。東大は多くの史料や参考文献がそろっているので助かります。
哲学系
東京大学 文学部人文学科 倫理学専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。東京大学 文学部人文学科 倫理学専修について紹介します。
東京大学 文学部人文学科 美学芸術学専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。東京大学 文学部人文学科 美学芸術学専修について紹介します。
東京大学 教養学部教養学科超域文化科学分科 現代思想コース
研究内容
学問概要
あたり前のように思われているルールや出来事に対して、「なぜ?」と思うことが第一歩です。例えば、「なぜ髪を染めてはいけないのか」と疑うことからも研究をスタートできます。さらに対象地域を限定しないことで、同じ出来事でも様々な文化の間で受け取られ方に違いが生じることにも目を向けることができます。そのような疑問、問題に対して、自分なりの答えを見つけていく学問になります。
基本的な書籍
中島隆博・石井剛編『ことばを紡ぐための哲学:東大駒場・現代思想講義』(白水社)野矢茂樹『哲学の謎 』(講談社現代新書)
留学
専門とする地域・分野によって様々な語学が必要となるため、それを母語とする国に留学する人がいる一方、専門分野に強い大学に留学する人もいます。ただし、留学が必須というわけではなく、東京大学内の授業でも国際的な内容に触れることができます。
時間割・授業
興味のある分野のみを選択することも、さまざまな分野を幅広く選択することもできます。また、比較的少人数(5~10人ほど)での授業が多く、先生の話を聞くだけの講義形式より、参加者も発言する演習形式の授業が多いです。参加人数が少ない分、質疑応答に割ける時間が多く、発言機会も多いことから、眠くならない授業時間を過ごすことができます。
卒論
テーマ設定はとても自由度が高いです。ある本を研究対象に選ぶこともあれば、人や本を限定せずにテーマで選ぶこともできます。執筆に当たっては、資料となる本や論文を読んで勉強し、自分の解釈を新たに提示することになります。また、資料は原文(英語など)で読むことが望ましいですが、日本語訳がある場合、翻訳を活用することができます。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
現代思想コースでは、西洋、東洋といった地域を問わず、哲学、思想、倫理といった学問を扱います。時代としては、20世紀、21世紀が主な対象です。高校で倫理を学んでいない、まったくの初心者でも問題なく学習できます。むしろ、高校までで学んだ常識を疑うという側面さえあります。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
少人数のコースのため、年度によってばらつきがありますが、大学院進学者の割合は他の人文系に比べると多いように思われます。就職では官公庁、メーカー、IT関連などさまざまです。
関連する資格
教員免許(国語、社会)取得に必要な講義を受けられます。
学生の声
楽しいこと
日常的にどんなことにでも「なぜ?」と疑問を持ってしまう人、考えることがやめられない人にとっては、似たような人が集まり、議論できる環境はとても有意義なものだと思います。なんでも質問してよいというのが哲学の面白いところで、初心者の素朴な疑問が実は一番面白いということもあります。
できないとつらいこと
特に初学者向けの講義がないため、いきなり専門分野の会話に参加することになります。これには、専門知識を前提することなく、初心者でも授業に出られるという良い面があります。その一方で、興味を持って学んでいかないと、授業に食らいついていくのは大変かもしれません。また、英語やドイツ語、フランス語の文献を扱う授業もあるため、語学力も必要とされます。
その他
学費・研究費用
基本的な資料は、図書館やインターネット上で入手することができます。卒論で扱う本など、頻繁に読んだり、書き込んだりする必要がある本は購入するとよいでしょう。また、年代的にも比較的最近のものを扱うため、他の人文系学問よりも資料の収集は簡単だと思います。
文学系
東京大学 文学部人文学科 スラヴ語スラヴ文学専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。 東京大学 文学部人文学科 スラヴ語スラヴ文学専修 について紹介します。
東京大学 教養学部教養学科 比較文学比較芸術コース
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。 東京大学 教養学部教養学科 比較文学比較芸術コース について紹介します。
東京大学 文学部人文学科 現代文芸論専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。東京大学 文学部人文学科 現代文芸論専修について紹介します。
Solitude and happiness
In the great outdoors
Deserts, forests, rain forests, plains, grasslands and other areas including the most developed urban areas, all have distinct forms of wildlife.
言語学系
東京大学 文学部人文学科 言語学専修
研究内容
学問概要
言語学は、私たちが普段話したり書いたりしている、あるいは過去の人々が使っていた言語のあり方を扱う学問です。言語を扱うと一口に言っても、文を成り立たせる仕組みである文法をはじめ、ある言語の社会とのつながり、さらに赤ちゃんがどのように言葉を覚えるかなど、研究の観点は非常に幅広いです。東大には駒場と本郷それぞれに研究の拠点があり、本郷では日本語とその方言から世界の少数民族の言語まで、様々な言語の文法研究が特に盛んです。
基本的な書籍
*言語学がどんなものかを知る読み物として黒田龍之助『はじめての言語学』講談社現代新書、2004*言語学の基礎的な専門知識を学ぶために斎藤純男『言語学入門』三省堂、2010斎藤純男、田口善久、西村義樹(編)『明解言語学辞典』三省堂、2015
留学
海外留学は必須ではありません。学部生であれば、日本語や日本国内にも話者がある程度いる言語を研究テーマにすることが多いです。一方、大学院で研究を進める場合、自分の研究する言語が使用されている地域に留学する人が少なくありません。現地の研究機関で活動する留学という形でなくても、調査活動のために海外渡航する人は多いです。
時間割・授業
2年生から3年生にかけての言語学の分野や方法論を概説的に学ぶ授業の他に、必修はほとんどありません。それ以降は各先生の専門分野に沿って、言語学の各分野での研究手法や理論・考え方を学ぶ授業が中心になります。どの言語を扱うか、その言語の文法が実際にどうなっているかは基本的に各人の関心に従って調べることになりますが、中学・高校の英語のように、特定の言語の文法を学ぶ授業も開かれており、この授業をきっかけに研究テーマを決める学生も多いです。
卒論
ある程度は調査の実行難易度を考慮して指導教員からのアドバイスを受けることになりますが、卒論のテーマは各人の興味関心に従って決めることができます。どの言語を扱うかという点でも、どの分野でその言語を扱うかという点でもかなり自由にテーマを決められます。自分の地元で使用されている方言の調査や、第二外国語の文法研究が典型的な一方、少数民族の言語など珍しい言語をテーマとする人も一定数います。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
高校の科目で直接言語学を学ぶことはありませんが、英語や古文・漢文はある言語の文法がどうなっているか学ぶという点で言語学的研究の初めの一歩と言えます。地理や世界史の知識も、特に言語の分布や歴史、社会的背景を探求する分野に大きく関わっています。さらに、数学やプログラミングも、研究手段の幅を広げる重要な知識になります。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
流通・航空・IT系ベンチャーなど、卒業生の就職する業界は様々です。院進する学部生は毎年数人程度ですが、外部からの進学者や留学生も毎年5, 6人程度います。
関連する資格
このコースで直接取得できる資格はありませんが、他学科・専修過程の授業を受けて教員免許や学芸員資格を取得する学生は一定数います。
学生の声
楽しいこと
普段何気なく使っている言葉の面白さに気付けるのが、言語学という分野共通の楽しみと言えます。さらに調査という観点では、現地調査を通じて国内外の様々な地域の文化や人々と触れ合って刺激を得られます。文献調査をメインとする場合でも調査の一環として様々な面白い文学作品や表現に出会えますし、楽しみ方は様々です。
できないとつらいこと
必ずしもネイティブと遜色無く話せる必要は無いものの、調査したい言語の基礎的な文法知識は原則必須と言えます。さらに、日本語および日本語方言をテーマとする場合でも、論文を読める程度の英語は身に着ける必要があるでしょう。さらに良い研究のためには、調査・分析のための機材やソフトの使い方、調査の作法などを授業を通じてしっかり習得することが重要です。
その他
学費・研究費用
卒論のための調査であれば、図書館の資料や無料で使えるインターネット上の資料などを活用してほとんど自己負担無しで行うことも可能です。フィールドワークも学部生では帰省のついでとして行う人がほとんどです。一方、院生として本格的な調査を行う場合、調査のための旅費や調査協力者への謝金などは研究資金の援助が無い限り自費で負担することになります。
社会学系・その他
東京大学 教養学部教養学科 超域文化科学分科 文化人類学コース
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。 東京大学 教養学部教養学科 超域文化科学分科 文化人類学コース について紹介します。
東京大学 文学部人文学科 社会心理学専修
人文学を学べる学部・学科について紹介する、人文学の道しるべ。 東京大学 文学部人文学科 社会心理学専修 について紹介します。
東京大学 教養学部教養学科 地域文化研究分科 アジア・日本研究コース
研究内容
学問概要
地域研究とは、特定の国・地域について、政治や経済、歴史、社会、文化など、様々な側面から総合的に理解することを目的とする学問です。東京大学の「アジア・日本研究コース」には、西は中東から東は日本に至るまで、アジアの様々な国・地域の専門家が集まっています。興味・関心に応じて幅広く学んで比較をしつつ、特に面白いと思うことを深めていくことになります。
基本的な書籍
明石書店のシリーズ『~を知るための…章』は、世界各国についての入門書が集まっています。このほか、アジアのどの国・地域を専門とするかにより読む本は異なってきますが、どのような「広がり」があるのかをつかむには以下のような講義録も参考になるかもしれません。東大社研現代中国研究拠点編『現代中国ゼミナール:東大駒場連続講義 』東京大学出版会、2020山口輝臣編『はじめての明治史:東大駒場連続講義』ちくまプリマー新書、2018
留学
地域のことをよりよく知ることを目指すわけですから、交換留学をする学生は非常に多いです。研究対象とする国・地域(中国、台湾、シンガポールなど)の大学に留学をする場合もあれば、地域研究の蓄積があるイギリスやオーストラリアなどに留学する人もいます。
時間割・授業
外国研究の基本となるのは語学なので、語学の必修単位が多めに設定されていることが特徴です。しかし、それ以外は関心に応じてかなり自由に授業を選択することができます。いずれにせよ、そもそも学生数も多くないので、論文や外国語の資料を読みつつ少人数で議論するような科目が中心で、集中的な深い学びをすることができます。教養学部の他のコースや他学部の授業を受講することも積極的に奨励されています。
卒論
どの地域の、どの対象を、どの視点から取り上げるのかということは、人それぞれ大きく異なります。自由度がかなり高いだけにテーマ選択に悩むこともありますが、指導教官と相談しつつ最終的に絞っていくことになります。過去の題目の一覧はコースのHPから見ることができますが、同時代のことか現代史を扱うものが多く、今のアジアをどう見るのかという関心が反映されているといえます。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
絶対に必要な科目というのはありませんが、どの科目でも勉強すれば必ず繋がってきます。例えば、英語は様々な文献を読む基礎になりますし、漢文ができれば東アジアの古い資料を読むことができます。歴史や地理は他国を理解するうえで大いに役立ちますし、数学ができれば統計を読み取ることも可能になります。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
官公庁、マスコミ、商社、メーカーなど、さまざまな分野に就職をしています。どの分野にしても、アジアを学んだ経験が生かせるような国際的な職場への志向が強いです。大学院に進学する学生もいますが、修士・博士課程には他大学からの進学者が比較的多いです。
関連する資格
教員免許を取る人が多いと思います。
学生の声
楽しいこと
日本で当たり前だと思っていることが、海外でもそうだとは限りません。外国語に苦労しながら外の視点を知ることで、日本のこともまたよりよく知ることができます。とりわけアジアというのは、日本にとって非常に重要な意味を持つ地域です。少人数のコースでそれぞれの学生の関心も多様ななかで、意見を交わすことも楽しみの一つです。
できないとつらいこと
語学ができることは基本です。また、勉強・研究の自由度が高いだけに、どの切り口で取り組むのかということを意識しないと容易に「迷子」になります。政治学、経済学、社会学、歴史学、文学などどれでもいいのですが、確立された研究手法を一度しっかりと学んでおくことが重要です。
その他
学費・研究費用
どのような研究テーマを選ぶかにもよります。図書館やデータベースも充実しているので、それだけでも十分に質の高い卒業論文を書くことは可能です。現地での調査を行うとなれば、旅費などがかかることになります。近年は様々なプログラムや助成も充実してきているので、うまく活用すれば自己負担を抑えながら海外での経験を積むこともできるようになっています。
公式HP
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