研究内容

学問概要

「表象」とはイメージ、表現のことです。表象文化論ではありとあらゆる表象について、哲学の理論などを土台にしながら横断的に考えます。文学や音楽、美術だけでなく、ダンス、写真、映像、広告、ファッション、建築、どんなものでも研究対象になります。社会、政治、文化など様々な角度から対象を分析し、言葉にしていきます。

基本的な書籍

・『表象のディスクール』(東京大学出版会、全6巻)
網羅的な入門書ですが、少し難しいので興味のあるところから読むのがよいと思います。
・北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』(書肆侃侃房、2019)
・三浦哲哉『食べたくなる本』(みすず書房、2019)
初めて手に取るならエッセイのようにさらっと読めるものもおすすめです。
・小林康夫『絵画の冒険』(東京大学出版会、2016)
実際の講義を土台にした本。少し雰囲気がわかるかもしれません。

留学

学部生向けのプログラムで例年留学する学生がいます。大学院に進学した学生の多くはどこかのタイミングで留学を経験します。

時間割・授業

地域やジャンルを問わず、様々な表象についての授業があります。みんなで分担して作品を分析し、小説を読んだり映像を観たりしながら議論を重ねます。また、分析の土台となる哲学や理論についても学びます。このタイプの授業では英語などの原文を少しずつ読んでいくことが多いです。映像作品を制作したり展覧会を企画したり、グループで何かをつくる授業もあります。

卒論

特定のアーティストや作品について論じる形がオーソドックスですが、テーマ自体はかなり自由に設定することができます。現代美術、テレビ番組、プロダクトデザイン、ポピュラー音楽など、実際に学生が選ぶジャンルも多岐に渡ります。ただし、実際に作品と接することが難しい場合は先生の助言を受けてテーマを変えることもあります。

高校までの繋がり

高校までの勉強との繋がり

美術・音楽・世界史・日本史・倫理・現代文などでの学びは深くつながってきます。現代文で読んでいた文章が実は重要な文献だった、なんてことも。とはいえ、表象文化論の研究対象はなんでもあり。小説、映画、ゲーム、漫画、ファッション…様々な表現に触れることも大切です。

受験で必要な科目

特になし。

進路

就職先・大学院進学

就職先としては、広告、出版、報道、娯楽などメディア・クリエイティブ業界に進む人が多いです。半数弱が大学院に進学します。

関連する資格

教員免許を取る人が多いと思います。

学生の声

楽しいこと

自分ひとりでは見向きもしなかったような作品・表現を知り、視界が広がることです。先生はもちろん学生の趣味や関心も多種多様なので、世界にはこんなに面白いものがあったのか!と日々刺激を受け、楽しみが増えていきます。先入観やジャンルの垣根を取っ払って遊ぶレッスンをする場所だと思います。

できないとつらいこと

抽象的な文章を読む必要があるので、読書が苦痛だと厳しいです。また、翻訳ではなく原文を読む授業があり、外国出身の先生もいらっしゃるので、語学に苦手意識があるとちょっとつらいかもしれません。現代文や英語の授業では難しい文章も諦めず丁寧に読む習慣をつけておきましょう。

その他

学費・研究費用

研究対象をよく観察することが求められるので、人によっては自費で劇場や美術館に通い詰めることになります。また、国内では資料が手に入りづらい場合も。海外からの取り寄せが多くなると費用がかさむかもしれません。

公式HP

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