「女性性の二面性」の幻想
女性は一般的に「処女」と「悪女」の二面性がある、と言われることがあります。処女は他からの束縛を受けない不羈独立の象徴として、そして悪女は関わった人間を破滅させる魅力の象徴として。ですが、それはいずれも誰から見た時の二面性でしょうか。男性側から見た時に女性を都合よく扱おうという意図は込められていないでしょうか。そんな二面性について、少し立ち止まって考えてみましょう。
『処女崇拝の系譜』
これはいわゆる処女ではなく、処女性を特徴の1つとする「夢の乙女」という、男性たちの理想を体現した幻想の存在を紐とく本です。神話や文学に登場し、西欧の若者たちを虜にした「夢の乙女」を辿りながら、男性が女性に求めた性質を探ります。巻末で筆者は時代の変化の中で20世紀初頭に「夢の乙女」は消滅したと述べていますが、本当にそうでしょうか・・・
Book Info →『悪女入門』
フランス文学には「ファム・ファタル」と呼ばれる女性がたびたび登場します。彼女たちはいわゆる「悪女」であり、関わった男性を破滅に至らせます。この本は「入門」というタイトルが表す通り、どうすれば悪女になれるのかというノウハウ本です。ですが、誰が彼女たちを悪女にするのでしょう。そしてこの本は誰によって書かれているのでしょう。その視点に立った時彼女たちは本当に「ファム・ファタル」なのでしょうか。
Book Info →二冊を読み合わせる
「処女」と「悪女」の性質を知って、皆さんはどう思われましたか? 自分の/誰かの性質が近いかも、これはそもそも二者択一されるものではない、全くもって間違っている……様々な感想と共に、女性の表象とそれが実生活に及ぼす影響に思いを巡らせてください。
また今回は2冊とも“男性による、男性たちが描いた女性の性質の本”です。女性が表象する女性、創作上の男性性の描かれ方・役割、など別の視点から考えてみると、今回とは別の気付きがあるかもしれません。







