——そもそも、なぜ「考古学」という分野にこだわるのでしょうか。やはり幼少期からの興味関心が根強いのですか?
身も蓋もない言い方をしてしまえば、人生の最初の夢が「考古学者になりたい」だったからです。
さらに記憶を遡ると、幼稚園の頃は古生物学者になりたかったんだと思います。当時はまだ「古生物学」なんて言葉は知りませんでしたが、とにかく恐竜や化石が好きでした。
——男の子の夢の王道ですね。
ええ。でも、小学校に上がって文字が読めるようになり、学習漫画などを通じて「人間にも歴史がある」ということを知るわけです。今にして思えばナンセンスな飛躍ですが、そこで興味の対象が恐竜から人間へとスライドしました。
時代背景も大きかったと思います。私が子供の頃は、『世界ふしぎ発見!』などのテレビ番組が全盛期で、エジプト展があれば見に行きましたし、メディアの中に「考古学」が溢れていました。
——確かに、アニメや映画でも「考古学者」は魅力的なキャラクターとして描かれることが多いですね。
そうなんです。実際に調査をした研究もあるようなんですが、フィクションの世界で「学者」が登場する場合、白衣を着たマッドサイエンティストと並んで、考古学者の出現頻度は非常に高いんですよ。『インディ・ジョーンズ』はもちろん、『ONE PIECE』のニコ・ロビンや、『カードキャプターさくら』の木之本桜のお父さんもそうですよね。
物語の鍵を握る重要な役回りとして描かれる彼らを見て、「考古学者というのは、世界を解き明かす職業なんだ」という刷り込みがなされたのだと思います。
——抽象的な「哲学者」などよりも、具体的な「モノ」を扱う考古学者は、子どもにとってもイメージしやすかったのかもしれません。
おっしゃる通りです。哲学のような概念的な学問は、子どもの理解力では限界があります。でも、土器や石器といった「モノ」があれば、そこから想像を膨らませることができる。北海道の地方都市出身なんですが、どんなに田舎の郷土資料館に行っても、土器や石器の展示は必ずあるじゃないですか。そうした環境もあって、考古学は私にとって最も身近で、かつロマンのある学問だったんです。


