調査に出向く前に

まず調査に赴くにあたっては、ある程度具体的に下調べを行い、調べるべき内容が固まっていることが前提とされます。学術的アプローチには、事前に確たる仮説などを持たずに行う課題発見型と呼ばれる調査もあります。が、そうした場合でも、なんらかの問題意識をもって臨まないことには視点のぼやけた調査にとどまってしまいます。

人に話を聞くに当たっては、あらかじめ聞いてみたい質問事項をまとめて送っておくか、その場で手渡すとやり取りがスムーズに進みます。話が弾むうちに新たな質問が出てくる場合も多いです。

実際の調査

実地ではフィールドノートを用意し、いつでも取り出して書き込める状態にしておきましょう。調べたことだけでなく、行った場所・時間やその時の状況、気がついたことなどを都度メモしておくことで、後々の再構成がはかどります。持てるのであれば、カメラやレコーダーも用意しておくと記録の助けになります。

現場で見聞きしたこと・聞き取りなどの内容・フィールドノートに書き記した事実は、なるべくその日のうちに清書して、後で見返しても理解できるようにしておくことが肝心です。後々になってフィールドノートを読んでも、話を明確には思い出せないことが多いのです。

どんな方に話を聞くにしても、事前に用意できるのであればお礼の品は用意しておくことが望ましいです(役場などでは職務上、受け取っていただけない場合もあります)。帰ってからは速やかにお礼状やお礼の連絡を送るようにしましょう。