重要なことですが、学術論文などはデータベース上でタイトルは検索できても、必ずしもネット上で簡単に読めるとは限りません。学術文献へのアクセスのしにくさは、大学以外での学びにおける最大の障害と言えます。これについては、公立図書館を利用することである程度補うことができます。

レファレンスコーナー

図書館に行く際には、事前に読みたい本が定まっている場合と定まっていない場合があります。探している本がどこにあるかをあらかじめ知るためには、先に述べたインターネットでの検索が有効です。

後者、つまり関連する文献を広く渉猟したい場合には、地域の中心となる大きな図書館に行くことをおすすめします。大きな図書館では、研究・調査・学習のための検索に特化したレファレンスコーナーが設けられています。当たるべき資料が見つかっていない場合、まずはここに立ち寄るのが良いでしょう。

窓口に控えている専門職員に相談すると、関連する資料や情報を集める手助けをしていただけます。疑問点があまりはっきりとしていない場合には、それをより具体的な形に整理してもらえることもありますし、その図書館にない資料については、所蔵している別の館を紹介してもらえる場合もあります。

またレファレンスコーナーには、三次資料[1] … Continue readingとして辞書や百科事典がたくさん並んでいます。こうした辞典には多くの場合、項目の末尾に執筆した研究者の名前や基礎文献が書かれているので、基本的・専門的な文献にあたる手がかりとなります。

ただし、こういった辞典類の情報はあくまで概説です。また、辞典は頻繁に改版されるものでもないため、現在の研究成果を反映しているとも限りません。知見を深めていくためには、より多くの文献に当たる必要があります。

References

References
1 三次資料とは、オリジナルの記録(一次資料)やそれを考察した資料(二次資料)を、情報の検索のためにテーマ別に整理したものを言います。事典などがどの代表例です。