──さて、通常のインタビューでは、ここで初学者向けのおすすめ入門書などを紹介いただいているんですが、今回はなんだかそれどころじゃない気がしています。
入門書は、読みたければどうぞ読んでくださいという感じですが、「興味があるから入門書」という順序って、私はあんまりしっくりこないかなあ。面白い!と思ったところから何か始めるなら、あんまり入門書からは入らないと思います。
そもそも、なんで独学したいのか? 何かにすでに出会っていて、それが面白いと思ったから知りたい、学びたいと思っているはず。だとすると、最初に手に取るべきは、必ずしも入門書ではない。
私が民俗学の研究を始めたのも、『悪霊論』というタイトルに惹かれたからですし、独学って、気づいたときには始まってるものだと思います。だから、興味があるのかないのかわからない状態で「どの入門書がいいですか?」と聞かれても、わからない。本当に興味を持つきっかけって、むしろ、ある特定のトピックについて深く書いてある本だと思いますよ。本じゃなくても、テレビ番組とかエンタメ作品でもいいはずです。
──今日はありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!