まとめ

駒場博物館の特別展のイベントとしてこれまでとは異なった開催形態となったジンブンアトラスでした。

最初にジブンジンブンから人文学の説明およびジンブンアトラスの説明を行いました。その後大河内コレクションおよび今回利用するウィリアム・ホガースのテクストの説明を経済学部の大石先生にお願いしました。

その後3チームに分かれてジンブンアトラスを実践し、それぞれが3種類のテクストを一度ずつ眺められるようにテクストを交換しました。

先生方にはあえてアトラスの実践中にはコメントやアドバイスを控えていただき、全てが終わったあとにテクストについた付箋を確認いただきました。

アンケートで「今日学んだこと・思ったことは何ですか?」という質問に対して、

「同じ絵を複数人で見た時の他の方の気付きが興味深かった。自分で見ているところが全てではないと思った。」

という回答がありました。ジンブンアトラスの目的であるテクストを囲んだ際の気付きの多様性を実感いただけたようです。アトラスの実践中にも参加者の間で積極的に意見を交換する姿が目立ちました。他にも

「作品を見て自由に感じ・考え、専門家の先生の解説や色々な価値観の方の意見を伺えて贅沢だった。」

という意見がありました。作品に対する自由な意見がキチンと周りに届くこと、それに対して大石先生をはじめとした専門家の先生たちからフィードバックをいただけたことは貴重な機会だったようです。

またアンケートで「他に取り組んでみたい企画はありますか?」という質問に対して、

「建築・庭園散歩等の外へ出る企画」

「日本であまり知られていない人に焦点を当てた企画」

など、テクストの選定方法への要望や実施時間の延長の希望がありました。屋外でのジンブンアトラスはジブンジンブンとしても今後取り組んでいく予定です。

最後は大石先生から今日のワークショップについてまとめのコメントをいただきました。

ジブンジンブンが大切にしている「ジブンごと」について、ロラン・バルトの提示した概念である「プンクトゥム(Punctum)」に関連付けて話をくださいました。大石先生によれば「プンクトゥム」とは自分にとって小さな痛みとなる経験であり、それはジンブンアトラスの中でテクストから「ジブンごと」を見つけ出すそのきっかけとなるものだということでした。

自分だけの小さな痛みを見つめることで、テクストをジブンごとにしていくことができます。一人では難しいことでも、同じテクストを囲んだメンバーとアトラスを行うことによって手軽にジブンごとを発見することができます。

これらの意見を参考にして、ジンブンアトラスはさらに磨きをかけていきます。ご参加いただいた皆さまありがとうございました!

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