研究内容
学問概要
東大の国際関係論コースでは、国際政治、国際法、国際経済の基礎をまず必修で一通り学んだ後、自らが取り組みたい研究テーマについて自由に研究します。「総合社会科学分科」の名の通り、政治、法、経済といったいわゆる社会科学の視点から検討する研究であれば全てが本コースの射程に入ると思います。
基本的な書籍
E.H.カー『危機の二十年』岩波書店
中西寛『国際政治学』有斐閣
中谷和弘『国際法』有斐閣
小寺彰『国際法判例百選 第2版(別冊ジュリスト204)』有斐閣
留学
学年によって多少の差異はあるものの、例年ちょうど半数程のコース生が国外留学をしていると思います。留学先は英語圏に限らず、多様な地域に留学している印象です。また、必ずしも卒業研究との関連性が強い研究テーマを持って留学しているわけでもないように思います。
時間割・授業
必修の科目は3つのみで、2年生の後半から半年ずつ国際政治、国際法、国際経済を学びます。それぞれ講義と論文講読のゼミがセットになっています。それ以外の講義は自由に取ることができ、通常、最終的な卒業論文のテーマを見据えつつ、気になる教授やテーマのゼミを履修していくことになります。
卒論
研究テーマは非常に自由に設定することができます。必修で学んだ国際政治、国際法、国際経済に絡めたものが主な題材になると思いますが、文学を題材にした先輩もいました。研究手法も多様で、まずは自らが師事したい先生を指定し、先生と1対1で相談をしながら4年生の間1年間かけて卒論を執筆するという流れになります。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
毎週英語で書かれた論文を読み、論点を整理してディスカッションをするため、英語を読むことに抵抗感があると必修の単位取得が辛く感じられるかもしれません(私は英語を読むのが苦手だったため、ゼミの準備が重く、何度か体調を崩しました)。また、近現代史の理解が深いと専門分野の勉強の助けになるかもしれません。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
就職先は大手企業からベンチャー企業まで幅広い印象がありますが、近年は特に外務省を始めとする中央省庁への就職が多い印象があります。一方で大学院に進学する卒業生も多いです。大多数は東大駒場で引き続き国際関係論を学びますが、一部は東大本郷の院(法学等)や海外の院に進学します。
関連する資格
教員免許(国語、社会)取得に必要な講義を受けられます。
学生の声
楽しいこと
常に読むべき論文に追われる環境に置かれるため、知識を吸収することが好きな人は常に楽しみながら学ぶことができると思います。また、ゼミ形式の授業が多く、常に学生同士、または教授とのディスカッションを繰り返すこととなり、新しい知識を対話の中でより深く理解する機会にも恵まれています。
できないとつらいこと
大量の論文を正確に読むこと、さらには自分の言葉で表現することが求められます。わからないことを放置せずきちんと調べること、常に先行研究に目を通す努力を怠らないことを習慣づけた方がよいでしょう。また、やはり主要な論文は英語で書かれたものになるため、英語を読む訓練も積むに越したことはありません。
その他
学費・研究費用
人にもよりますが、基本的には東大学内の駒場及び本郷の図書館内でほとんどの資料を収集することができると思います。ただし、書庫内の雑誌や論文集内の論文、各教員所有の論文をコピーすることが多いため、コピー代はかさみます。