研究内容

学問概要

人文地理学は地理・空間・地域といった視点から人間活動をみる学問です。経済地理学・農業地理学・都市地理学などさまざまな小分野があり、ほとんどあらゆるテーマが地理学の研究対象になりえます。東大の場合、もともと理学部を母体とすることもあり、文化地理学・歴史地理学・地理思想といった文化系の研究の伝統はさほど強くありません。

基本的な書籍

竹中克行編『人文地理学への招待』ミネルヴァ書房、2015
朝倉書店『シリーズ〈人文地理学〉』全10巻

留学

教養学部が学部生向けの留学プログラムを用意しており、留学する生徒を毎年送り出しています。海外の事例を扱うのでない限り、大学院での海外留学がさほどメジャーでない点は、語学が重視される人文系の分野とは異なるところかもしれません。

時間割・授業

地理学はフィールドワークに重きを置く学問です。2・3年次に2度のフィールドワークが課され、特定の地域についてテーマを決めて調査に出かけ、レポートにまとめます。もちろん調査にあたっては、関連文献の収集、対象地域の分析、調査対象者へのコンタクトといった事前の綿密な準備が必要で、レポートの完成まで1年がかりの作業となります。このほか、地域分析のためのGIS(地理情報システム)ソフトの使い方や文献の読み方、各地の地誌などを学ぶ授業があります。

卒論

分野横断的な学問という性質上、(学問的な扱いやすさの違いはあっても)学生の研究テーマはかなり自由に設定することができます。典型的なテーマとしては、産業の立地や都市・農村の変容、交通がもたらす社会変化などでしょうか。修論・博論も含め過去の研究題目は教室のHPで見ることができます。

高校までの繋がり

高校までの勉強との繋がり

高校地理を履修しておくことはマストではありません。ただ、各地の自然・社会・歴史・文化を把握しておくことは地域への理解を深めることにもなりますし、研究の上で自分なりの着眼点を見つけるための足がかりにもなるでしょう。地図判読の能力や数学で扱われる統計知識、グラフの制作といった技術もモノを言います。

受験で必要な科目

特になし。

進路

就職先・大学院進学

官公庁をはじめ商社、インフラ、交通、マスコミ、出版など幅広い分野に卒業生を輩出しています。院進する学部生は毎年1~3割程度ですが、外部からの進学者や留学生も少なくありません。

関連する資格

社会科(地理歴史)の教員免許に必要な講義を受講できます。他大学の地理学科で取得できる場合のある「測量士(補)」「地域調査士」などの資格は東大では取れません。

学生の声

楽しいこと

地理学の楽しみはやはり歩くこと、聞くことです。さまざまな地域を知るなかで、思わぬ共通点や多様性、つながりに気づくことがあります。旅行好きも多いので、学生室にはよく各地のお土産が持ち込まれています。

できないとつらいこと

調査対象者とのやり取りが多いため、マナーや質問の仕方などの技術はある程度必要とされます。また成果をまとめるにあたって、ワード・エクセルや地図製作のための技術を習得することになりますので、パソコンスキルがあるに越したことはありません。

その他

学費・研究費用

地理学は文学系の学問に比べて図書館の資料に向き合う機会は少ない代わりに、調査先の資料や聞き取りから材料を得る(いわゆる「足で稼ぐ」)ことが多いです。調査・研究の旅費は自己負担となりますから、長期で出かける場合にはある程度の出費は覚悟しなければなりません。

公式HP

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