研究内容

学問概要

あたり前のように思われているルールや出来事に対して、「なぜ?」と思うことが第一歩です。例えば、「なぜ髪を染めてはいけないのか」と疑うことからも研究をスタートできます。さらに対象地域を限定しないことで、同じ出来事でも様々な文化の間で受け取られ方に違いが生じることにも目を向けることができます。そのような疑問、問題に対して、自分なりの答えを見つけていく学問になります。

基本的な書籍

中島隆博・石井剛編『ことばを紡ぐための哲学:東大駒場・現代思想講義』(白水社)
野矢茂樹『哲学の謎 』(講談社現代新書)

留学

専門とする地域・分野によって様々な語学が必要となるため、それを母語とする国に留学する人がいる一方、専門分野に強い大学に留学する人もいます。ただし、留学が必須というわけではなく、東京大学内の授業でも国際的な内容に触れることができます。

時間割・授業

興味のある分野のみを選択することも、さまざまな分野を幅広く選択することもできます。また、比較的少人数(5~10人ほど)での授業が多く、先生の話を聞くだけの講義形式より、参加者も発言する演習形式の授業が多いです。参加人数が少ない分、質疑応答に割ける時間が多く、発言機会も多いことから、眠くならない授業時間を過ごすことができます。

卒論

テーマ設定はとても自由度が高いです。ある本を研究対象に選ぶこともあれば、人や本を限定せずにテーマで選ぶこともできます。執筆に当たっては、資料となる本や論文を読んで勉強し、自分の解釈を新たに提示することになります。また、資料は原文(英語など)で読むことが望ましいですが、日本語訳がある場合、翻訳を活用することができます。

高校までの繋がり

高校までの勉強との繋がり

現代思想コースでは、西洋、東洋といった地域を問わず、哲学、思想、倫理といった学問を扱います。時代としては、20世紀、21世紀が主な対象です。高校で倫理を学んでいない、まったくの初心者でも問題なく学習できます。むしろ、高校までで学んだ常識を疑うという側面さえあります。

受験で必要な科目

特になし。

進路

就職先・大学院進学

少人数のコースのため、年度によってばらつきがありますが、大学院進学者の割合は他の人文系に比べると多いように思われます。就職では官公庁、メーカー、IT関連などさまざまです。

関連する資格

教員免許(国語、社会)取得に必要な講義を受けられます。

学生の声

楽しいこと

日常的にどんなことにでも「なぜ?」と疑問を持ってしまう人、考えることがやめられない人にとっては、似たような人が集まり、議論できる環境はとても有意義なものだと思います。なんでも質問してよいというのが哲学の面白いところで、初心者の素朴な疑問が実は一番面白いということもあります。

できないとつらいこと

特に初学者向けの講義がないため、いきなり専門分野の会話に参加することになります。これには、専門知識を前提することなく、初心者でも授業に出られるという良い面があります。その一方で、興味を持って学んでいかないと、授業に食らいついていくのは大変かもしれません。また、英語やドイツ語、フランス語の文献を扱う授業もあるため、語学力も必要とされます。

その他

学費・研究費用

基本的な資料は、図書館やインターネット上で入手することができます。卒論で扱う本など、頻繁に読んだり、書き込んだりする必要がある本は購入するとよいでしょう。また、年代的にも比較的最近のものを扱うため、他の人文系学問よりも資料の収集は簡単だと思います。