ジンブン独学ノートの実践編では、実際の研究について紹介します。研究へのモチベーションから、どのように日々の調査行われているのかまで、インタビュー形式でお届けします。
第六回は東アジア考古学研究の折茂克哉助教授です。折茂先生は東京大学の駒場博物館にて、ご自身の考古学の研究を行いながら、展覧会の準備などの博物館業務にも携わっていらっしゃいます。
今後の「研究」について
Q4-1. プロの研究者はどのように評価されることになるのでしょうか。
研究は成果だけをもって測られるべきです。大学の研究職についていなくても良い論文を書いている人はいっぱいいます。研究を行うことは大学に勤めることだけではないです。
大学で用意されている専門分野に囚われる必要はないと思います。そこに囚われて、興味関心を狭めてしまうのは、しょうもないですよね。
──しかし、研究を行う以上専門分野はどうしても必要になってくるのではないでしょうか。
既存の研究分野であればディシプリン[1] … Continue readingは大事です。しかし、既存のディシプリンを外しているから美術史ではない、ということは言えても、研究ではない、ということは言えないはずです。自分でディシプリンを作っていくしかない、既存の分野にそこまでこだわりますか?ということかなと。
やっていくうちにこれ美術史じゃなくね?みたいなことはあると思いますし、そこを突き詰めるとよく分からないですよね。ディシプリンにどこまでこだわるかはその人次第です。もちろん大学の教員になるのであればそこを守らないといけないのですが、それはディシプリンを伝えていくのが一つの仕事でもあるからです。
難しいのは、新しい分野は相当能力がある人ではないとできないということかなと思います。ディシプリンがあるということは、乗っかればちゃんと育成されるということでもあります。
References
↑1 | 一般的には「規律・しつけ」を指すが、学術的な場においては、「任意の学問分野が分野として成立する為に限定した対象と方法論」を指すことが多い。 |
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