ーー博覧会について何か自分の中でイメージは変わりましたか?

博覧会といえば大規模な国策イベントのようなイメージが定着していると思うけど、金沢地域博覧会は、地域経済を握っていた有名商人や下級藩士が主体になって運営や出品をしているのが印象的でしたね。

明治時代になったからといってそれまでいた人たちがきれいさっぱりいなくなるわけではないし、でもそれまで幕府とか藩にひもづいていた制度とか施設が仕切り直しになるわけでもないです。

そこの連続性を検討しながら博覧会というものを見直すと、自分の博覧会イメージも変わっていったと思います。そして、博覧会を通じて、その時代をしたたかに乗りこなしていった人・いけなかった人たちの姿が浮かび上がってくるので、時代の変化とは何か?という普遍的な問いに少しは迫れたのかもしれません。