『問うことから始める人文学 ージンブン学をジブンごとにー』参考書籍リスト
はじめに
本日の講座では人文学の最初の一歩についてジンブンアトラスというワークショップ形式でみなさんにも体験していただきました。人文学について少しでも理解でき、自分でもやってみようと思っていていただければ嬉しいです。
さて人文学は実際にどのように探求されているのでしょうか。そして現場でのどのような問いが立てられているのでしょうか。そんな疑問に答えてくれるのが以下に挙げた本はメンバーが選んだ書籍リストです。実際の研究結果をまとめたもの、研究が行われているリアルな現場について触れたもの、研究者から学生に向けたものなど中身は様々です。
「本は全て読まなければならない」という義務感にとらわれず気になったところから是非つまみ食いしてみてください。
『デジタル人文学のすすめ』
著:楊暁捷・小松和彦・荒木浩 編
勉誠出版
人文学に興味ない、自分は理系だという方にこそぜひ読んで欲しいのがこの本です。デジタル人文学(デジタルヒューマニティーズ/人文情報学)とは、ビックデータ解析やワードマイニング、画像解析などの情報技術を活用して人文学の研究を行う学問領域です。デジタル技術を扱う為の情報学的な研究をする人や人文学の研究を深める為に用いる人など様々な携わり方があり、この本ではその一端を知ることができます。 ※この学問領域は変化も早いので、最新の情報を知りたい方は、『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』を読むか、国立情報学研究所や学会、大学のサイトをぜひ覗いてみてください。
さいごに
人文学は自分が気になったことを調べるところから始まります。「学問」と聞くと難しそうですが、問いを立てて答えを探していく、というと簡単そうに聞こえてきませんか。
本を読むのは勉強のため、ということももちろんあります。ですが、より大切なこととして本を読むことで他の人の問い・興味関心に触れる機会が増えます。本に書いてあることを盲目的に信じるのではなく、むしろ書かれていることに対して本当かなと疑問を抱いたり、筆者の視点を得ることでこれまでとは違った考え方ができるようになることが大事です。
人文学が取り扱う範囲は他のどの学問分野よりも広大で、誰でも今日から人文学を始めることができます。是非これを機会に人文学を自分ごとにしていただければ、それに勝る喜びはありません。