ジンブン独学ノートの実践編では、実際の研究について紹介します。研究へのモチベーションから、どのように日々の調査行われているのかまで、インタビュー形式でお届けします。

第六回は東アジア考古学研究の折茂克哉助教授です。折茂先生は東京大学の駒場博物館にて、ご自身の考古学の研究を行いながら、展覧会の準備などの博物館業務にも携わっていらっしゃいます。

展示会業務について

Q2-1. 展示会業務について教えてください。

展示会を例に取って、進め方を時系列で説明しましょうか。

先生が急に尋ねてきたり、電話かかってきたりするのでとりあえず話を聞きます。知識をつけないと、彼らから何も引き出せないことが多いので、インタビューはインタビュアーの知識量によるところが大きいです。逆にその分野について分かっている人がインタビューすると、話す方も話をしやすい。ですので、どんな本を読んだらいいですか?と聞いています。

所属している大学博物館の展示会の一番のお客さんは学部の1,2年生で、彼らに対してその分野を知ってほしいという気持ちがあります。展示会を通して興味を持った人が進むための次の手段を提示してあげる必要があります。なので今買える新刊を10冊くらい並べて、生協でフェアをやってもらうといったことも同時に行います。

▲駒場博物館IFの展示室内部

Q2-2. 専門外の内容も多いと思いますが、どのようなことを心掛けていますか。

展覧会は学芸員がどれだけ理解しているかにかかっています。担当学芸員の理解度をあげることが展覧会のクオリティをあげることに直結するので、私は分からないことは先生に質問するようにしています。

段階的に学んでいるというよりはスキップして学んでいる感はありますね。これは自分が考古学をやっていたときの手法とは違います。もちろんスキップしているその分薄くはなってしまいますが。