ジンブン独学ノートの実践編では、実際の研究について紹介します。研究へのモチベーションから、どのように日々の調査行われているのかまで、インタビュー形式でお届けします。

第二十四回となる今回のインタビューでは、歴史研究者の佐藤雄基先生にお話をうかがいます。佐藤先生は、手紙などの史料から当時の紛争解決の実態を読み解き、日本中世の法や文書が現場でいかに利用されていたのか、教科書的なイメージの裏にある社会のリアルな姿を探求されています。

Q4-1. では、次の質問「初学者があたるべき文献、避けた方がよい文献などはあるでしょうか?」です。これまで他のインタビューでも皆さんおっしゃっていたとおりで、佐藤先生からも「まずは新書や、入門をうたった本を手にとるとよい」とうかがっています。

いきなり論文集を手に取ると大変なので、まずは新書や入門書。いま現在の、その分野の専門家がきちんと書いた本のほうがよいです。

本を選ぶときのポイントは、その本の著者が他にどのような本や論文を書いているのか。きちんとその分野の研究をして、学会誌に論文を書いている人なのかどうかは見たほうがいいですね。参考文献をしっかりつけているかどうかも見ておきましょう。まずは「面白い」と思える本を一冊見つけて、その参考文献なり著者なりで芋づる式に探して、次に読む本を見つけるとよいと思います。