大学の外で学ぶ

Q5-1. 大学の外で学ぶ上で、難しい点はあるでしょうか?

ガイドがいないことだと思います。YouTube等をみて独学をする人が増えていると思いますが、ガイド自体の質が保たれていない可能性があります。

大学という制度は、学問の質をある程度保障してくれる良さがあります。逆に、その外で学ぶ・研究するときは、質が保たれていないことが多いと予め心得ておいたほうがいいです。もちろん、そういった方法での学びを否定するのではないですが。

大学で出会う教員や、同期・友人などは、よきガイドとなります。興味関心の近い人が身近にいて、交流できる環境は大切ですね。

ーー 確かに、同じゼミや研究室の仲間に、自分の知らなかった本を教えてもらったり、互いに議論してブラッシュアップしたりしますもんね。

一人で学ぶだけでなく、周りの人と学ぶと、学びが“まろやかになる”と言えるかもしれません。

大学の外で一人で学んだり研究したりしていると、いびつな形になる可能性が高いんです。もちろん良いアウトプットになる可能性も否定はできませんが、変な尖り方をしてしまうといいますか……他の人と一緒に学ぶことで、自分の考えを外側から俯瞰できる、メタ的な視点が得られる良さがありますね。

初学者向けのお役立ち情報

Q6-1. 学会やコミュニティ、初学者向けのネット記事/サイト/チャンネル/SNS、データベースなどがあれば教えてください。

学会の分科会や研究会など、無料で開催しているオンライン研究会はたくさんあるので、私もとりあえず出てみることにしています。

「●● 学会」などの検索ワードで、自分の興味のある学会・ありそうな学会を適当に検索すると、何かヒットするはずです。一回あたりの時間もそんなに長くないので、そういう会に出てみるのはいいかもしれません。とりわけコロナ禍になって、今の時代だからできる良い学びのありかただと思いますね。

ーー いわば「聞く論集」みたいなことでしょうか。

たしかにそうですね。大学に所属しなくても申し込めるものは多いですし、結構楽しいですよ。ほどよく専門的で、でも研究会なので聞き手を意識した発表になっているので、とっつきやすいです。本の論集と違うのは、質問もできて、リアクションももらえるところかな。高校生のときに知っておけば良かったなあと思います。