研究内容
学問概要
東洋史学専修課程は、中国や韓国などの東北アジア、カザフスタンなどの内陸アジア、インドなどの南アジア、インドネシアやタイなど東南アジア、イランやサウジアラビアなどの西アジア、モロッコなどの北アフリカ・イベリア半島といった広大な範囲を対象とした歴史を研究するところです。学生はそれぞれ地域と時代、対象(政治や宗教、文化など)を自身のテーマとして選ぶことができます。特定の地域の研究だけでなく、「西洋史」に対する「東洋史」やオリエントという枠組や西洋的なものの見方にとらわれない方法論なども考えていくことが必要です。筆者はスぺオン植民地時代の17世フィリピンに住んでいた中国人について研究しました。
基本的な書籍
講談社学術文庫『興亡の世界史』全21巻
講談社学術文庫『中国の歴史』全12巻
「一般書」ですが、講談社の『興亡の世界史』や『中国の歴史』は、読んでおくとよいと思います。「一般書」とは、研究者向けの「専門書」と違って細かい注釈がない一般の人向けの本です。一般書でも研究者が書いている本は多いです。『興亡の世界史』は西洋史も含みますが、東洋史でも例えば植民地時代の研究をする場合など、西洋史の知識が必要な場合は多いです。(筆者がそれです。)
留学
学部生で留学することは少ないです。大学院進学後に史料のある国に留学することが多いです。史料調査のついでにその史料言語の語学力も高められます。
時間割・授業
特定の分野や地域の歴史の概略を学べる講義や語学の授業を履修することが多いですが、最も重要なのはゼミです。ゼミでは地域や時代で分かれ、卒論の指導があります。定期的に研究の状況をレジメにまとめて発表します。
卒論
東洋史学ではとにかく史料を読むことが重視されます。研究する時代と同時代の人が書いた史料が最も重要です。卒論は自分で設定したテーマの考察をするものですが、その際に史料を根拠とする必要があります。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
高校のうちに世界史をしっかりと学んでおくことが重要です。東洋史学に進学すると、専門的なこと、つまり狭い分野のことを研究するようになります。そうなると他の地域や時代のことを勉強することが難しくなるため、世界史の知識をあらかじめ身につけておくことが必要です。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
学部の卒業生は一般企業への就職が多いです。大学院へ進学する人は少ないと思います。大学院へ進学すると、語学力を生かして大学の第二外国語の非常勤講師をやる人が多いイメージです。
関連する資格
教員免許を取る人が多いと思います。
学生の声
楽しいこと
好きな歴史にどっぷりつかれるのはやはり楽しいです。特に史料の原文を読むのは、昔の人の話を聞くようで楽しいです。
できないとつらいこと
史料の原文を読むことが必須です。言語は英語の他、最低限1つは習得した方がいいと思います。英語の論文はほぼ必ず読むと思います。
その他
学費・研究費用
史料や参考文献を他の大学の図書館や海外から取り寄せる場合、自費になることが多いです。東大は多くの史料や参考文献がそろっているので助かります。