研究内容
学問概要
古代から近現代に至るまでの様々な日本文学をオーソドックスに「読む」ことが基本です。本文とじっくり向き合い、いくつもの作品を比較し、当時の歴史・文化・思想を学び、論理と感性で文学を解釈していくための方法を学びます。西洋の思想的な理論を引用するのではなく、真正面から作品を味わうことを重視します。
基本的な書籍
東京大学文学部国文学研究室編『講義 日本文学 〈共同性〉からの視界』(東京大学出版会)
安藤宏『「私」をつくる 近代小説の試み』(岩波新書)
渡部泰明『和歌とは何か』(岩波新書)
留学
留学する人はあまり多くありません。
時間割・授業
卒業論文でどの時代を扱うかによらず、様々な時代の作品を読んでいくことになります。講義でも演習でも、ひとつの作品・作家を選び、半年をかけて理解を深めていくタイプの授業が多いです。また数百年前の貴重な文献に直接触れ、それらを扱うための技術を身につける名物集中講義「日本書誌学概論」は必修となっています。
卒論
国文学研究室には、それぞれ上代(奈良時代)・中古(平安時代)・中世(鎌倉~室町時代)・近世(江戸時代)・近現代を専門とする教員がいるので、まずどの時代のどの作品・作家を扱うかを決めます。そこからのテーマの広げ方、論じ方は自由です。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
たとえば近代文学で卒業論文を書くと決めている人でも、カリキュラム上、江戸時代以前の作品を読む機会があるので、古文・漢文・日本史の力があるに越したことはありません。現代文や世界史も大いに役立つでしょう(ちなみに世界史・地理選択で入学した人や、理系出身の人も一定数在籍しています)。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
マスコミ・出版社・その他民間企業・公務員・中高の国語教員など、就職先は様々です。毎年3割ほどの学生が大学院に進学します。
関連する資格
教員免許(国語科)の取得に必要な講義を受けられます。
学生の声
楽しいこと
あるひとつの固定的な読み方を「教わる」というよりは、教員や学友たちと一緒に面白い読み方を「見つけていく」ような感覚で、ゆったりと文学読解に取り組むことができる環境です。また、無数の古い文献や資料に囲まれながら研究室で過ごす独特の時間は、大学の外ではなかなか味わえません。
できないとつらいこと
「わからないことは調べる」という姿勢さえあればだいたい大丈夫だと思われますが、前提となる古文・漢文の基礎知識が欠けているとつらいかもしれません(近代でも明治時代初期の作品はほぼ古文のような文体だったりします)。
その他
学費・研究費用
資料の収集においては、学内の図書館や研究室、国立国会図書館などのお世話になることが多く、必要な出費としてはそのためのコピー代くらいです(研究室のコピー機なら、決められた枚数までは無料でコピーできます)。