研究内容

学問概要

地域研究とは、特定の国・地域について、政治や経済、歴史、社会、文化など、様々な側面から総合的に理解することを目的とする学問です。東京大学の「アジア・日本研究コース」には、西は中東から東は日本に至るまで、アジアの様々な国・地域の専門家が集まっています。興味・関心に応じて幅広く学んで比較をしつつ、特に面白いと思うことを深めていくことになります。

基本的な書籍

明石書店のシリーズ『~を知るための…章』は、世界各国についての入門書が集まっています。このほか、アジアのどの国・地域を専門とするかにより読む本は異なってきますが、どのような「広がり」があるのかをつかむには以下のような講義録も参考になるかもしれません。
東大社研現代中国研究拠点編『現代中国ゼミナール:東大駒場連続講義 』東京大学出版会、2020
山口輝臣編『はじめての明治史:東大駒場連続講義』ちくまプリマー新書、2018

留学

地域のことをよりよく知ることを目指すわけですから、交換留学をする学生は非常に多いです。研究対象とする国・地域(中国、台湾、シンガポールなど)の大学に留学をする場合もあれば、地域研究の蓄積があるイギリスやオーストラリアなどに留学する人もいます。

時間割・授業

外国研究の基本となるのは語学なので、語学の必修単位が多めに設定されていることが特徴です。しかし、それ以外は関心に応じてかなり自由に授業を選択することができます。いずれにせよ、そもそも学生数も多くないので、論文や外国語の資料を読みつつ少人数で議論するような科目が中心で、集中的な深い学びをすることができます。教養学部の他のコースや他学部の授業を受講することも積極的に奨励されています。

卒論

どの地域の、どの対象を、どの視点から取り上げるのかということは、人それぞれ大きく異なります。自由度がかなり高いだけにテーマ選択に悩むこともありますが、指導教官と相談しつつ最終的に絞っていくことになります。過去の題目の一覧はコースのHPから見ることができますが、同時代のことか現代史を扱うものが多く、今のアジアをどう見るのかという関心が反映されているといえます。

高校までの繋がり

高校までの勉強との繋がり

絶対に必要な科目というのはありませんが、どの科目でも勉強すれば必ず繋がってきます。例えば、英語は様々な文献を読む基礎になりますし、漢文ができれば東アジアの古い資料を読むことができます。歴史や地理は他国を理解するうえで大いに役立ちますし、数学ができれば統計を読み取ることも可能になります。

受験で必要な科目

特になし。

進路

就職先・大学院進学

官公庁、マスコミ、商社、メーカーなど、さまざまな分野に就職をしています。どの分野にしても、アジアを学んだ経験が生かせるような国際的な職場への志向が強いです。大学院に進学する学生もいますが、修士・博士課程には他大学からの進学者が比較的多いです。

関連する資格

教員免許を取る人が多いと思います。

学生の声

楽しいこと

日本で当たり前だと思っていることが、海外でもそうだとは限りません。外国語に苦労しながら外の視点を知ることで、日本のこともまたよりよく知ることができます。とりわけアジアというのは、日本にとって非常に重要な意味を持つ地域です。少人数のコースでそれぞれの学生の関心も多様ななかで、意見を交わすことも楽しみの一つです。

できないとつらいこと

語学ができることは基本です。また、勉強・研究の自由度が高いだけに、どの切り口で取り組むのかということを意識しないと容易に「迷子」になります。政治学、経済学、社会学、歴史学、文学などどれでもいいのですが、確立された研究手法を一度しっかりと学んでおくことが重要です。

その他

学費・研究費用

どのような研究テーマを選ぶかにもよります。図書館やデータベースも充実しているので、それだけでも十分に質の高い卒業論文を書くことは可能です。現地での調査を行うとなれば、旅費などがかかることになります。近年は様々なプログラムや助成も充実してきているので、うまく活用すれば自己負担を抑えながら海外での経験を積むこともできるようになっています。

公式HP

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