——その後、高校生あたりになると、そろそろ進路選択のことも考えないといけません。
はじめに、高校時代の進路選択と大学受験について今から振り返ると、「これ」と決めきれないまま、行き当たりばったりで、近視眼的に勉強を進めていた側面があったと思います。
現在の私の「問題意識」につながるような芽はずっと自分の中にあって、それなりに勉強もするわけですが、まだその「問題意識」が明確でなかったと思います。あるいは、高校生の時点では、自分が関心があるテーマが、具体的にどのような学問領域に結びつくのか、どこに行けば似たような問題意識の芽を持っている人とつながることができるのかまだ分からなかったとも言えます。
したがって、高校から大学時代にかけては大いに悩みました。でもそれは決して無駄ではなくて、悩みながら色々やってみたのは結果的に良かったと思っています。偶然に進んだ道やそこで出会った先生方や友人から、本当に沢山の刺激を受けました。では、高校進学後のことをお話しさせていただきます。
高校に入学した当初は、小学校の頃からの関心の延長で、将来は心理学が学べる学部に行きたいという思いがありました。日本の大学では、心理学を学べる学科は文学部などに含まれることが多いと思いますから、心理学専攻に進むのであれば通常は文系コースに進みますよね。しかし、高校で勉強するうちに、医療(特に精神科の医療)にも関心をもちました。結局、高校では理系コースに進みました。
——理系コースに進んだあとも、また別な転機があったとか。
高校二年生の秋から三年生の夏まで、日本で通っていた高校からの派遣制度を利用してイギリスに留学しました。
小学校の頃から、いつか留学してみたいと思っていたので、高校一年生の時に派遣留学が正式に決まったときはすごくうれしくて、とても楽しみにしていました。
留学先は、Reading という場所にある Queen Anne’s School という学校です。Readingはロンドンから西の方に向かって電車で30分~1時間くらい行ったところにあります。高校三年間のうちのほぼ一年をイギリスで過ごしましたが、留学先の学校で取った単位を日本で通っていた高校に互換できる仕組みで、高校は三年間で卒業しました。
次回は大学の話について伺います。