研究内容
学問概要
狭い意味での歴史学が文献史学とも言われ、過去の人類が残した文書や碑文、木簡などの文字資料を手がかりにするのに対し、考古学は過去に使われた土器や石器、住居などのモノを手がかりに過去を研究する学問です。モノの来歴を明らかにする上で、時には数学や生物学、地質学など理系的なアプローチを採ることもあります。
基本的な書籍
早乙女雅博・設楽博己2018『新訂 考古学』放送大学教育振興会
留学
海外をフィールドに研究を行う人は博士課程進学後に留学に行く人が多いです。日本国内をフィールドにする場合でも、韓国や中国、ロシアなど近隣地域との比較のため留学をする人もいます。反対に学部課程在学中に留学に行くケースはほとんどありません。
時間割・授業
普段の授業では、具体的な時代・地域を対象に、それ以外にも通用する基礎的な方法論を学びます。応用的な知識・技術は発掘調査への参加や独学など、教室の外で学ぶことが多いです。学部3年次の夏には北海道北見市にある常呂実習施設で1ヶ月間発掘実習が必修で、本物の遺跡を掘りながら調査の方法を学びます。
卒論
卒論のテーマ設定は自由度が高く、日本国内では旧石器時代から近世まで、中には西アジアや朝鮮半島など海外事例で卒論を書く人もいます。研究室の先生方のご専門は旧石器から弥生、近世、西アジアやシベリアなどですが、それ以外の時代・地域を対象とすることもできます。
高校までの繋がり
高校までの勉強との繋がり
歴史学の一分野である以上、日本史や世界史の知識が重要なのはもちろんですが、それ以上に地理の考え方が重要です。また、考古学は学際的な知識が求められます。測量調査をするときには三角関数の使用が不可欠ですし、石でできた遺物の材質を考えるには地学の知識が役に立ちます。
受験で必要な科目
特になし。
進路
就職先・大学院進学
法学部や経済学部に比べると、文学部は就職先が狭いというイメージを持たれがちですが、学部卒業生の就職先は商社や公務員、ゼネコン等幅広いです。大学院に進学する学生は少数派ですが、専門知識を活かした職に就職する場合は修士課程まで進学する人が多いです。
関連する資格
学芸員資格を取得する人が多く、ほかにも教員免許(社会科)を取得する人もいます。
学生の声
楽しいこと
土の中から大昔の人々が使ったものを発掘するのは、なんどやっても飽きることはありません。また、自分の住むところや旅行先などでも、今は目に見えない、土の下に埋まっている歴史に思いを巡らせることができます。
できないとつらいこと
屋外での発掘調査が考古学の基礎となるので、ある程度の体力は必要です。その一方で緻密な図面を描く必要もあるので、不器用だとやや苦しみます。また、卒論・修論の研究は研究フィールドに出向いて調査・踏査をしたりするので、普段から自分で旅行の日程を立てられるようになる必要があります。
その他
学費・研究費用
自分の居住地・出身地から離れた地域をフィールドにすると、調査のための旅費がかさみます。また、長期の発掘調査に参加する場合もある程度経費を自弁する必要があります。