■ 書籍情報
- タイトル: 『ジブンの世界はジンブンでできている―わかったことしか書かない哲学者×「研究」に興味がない考古学者×悩めるフィクション研究者―』
- 著者: 梶谷真司、折茂克哉、岡田進之介
- ISBN:978-4-9913684-0-0
- 編集: ジブンジンブン編集部
- 刊行日: 2025年8月5日
- 判型・ページ数:四六判、272ページ
- 価格: 1,800円+税
- 目次:
- まえがき
- 第一部 わかったことしか書かない哲学者
- 理系をやめて中国哲学志望に!しかし、まさかの展開が/授業を取らない学部生時代/ベルリンへ、そして再び京都へ/シュミッツとの出会いと「分かる」体験/劣等生も悪くない——原点回帰の中国哲学、偶然の民俗学/育児書の世界に飛び込む/子どもの哲学からみんなの哲学へ/あらゆる分野で初学者だった/「入門書」がおすすめではない理由
- 第二部 「研究」に興味がない考古学者
- 考古学者としてのキャリア/博物館のお仕事/今一番使っていないのは考古学の知識/「自分のやっていることは研究ではない」/研究者とアマチュアと/好きなことでは生きていかない/専門分野という呪縛/これからの研究者に求められること/関心がつながっていく楽しさ
- 第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた
- 第一章:迷えるフィクション研究者の卵
- フィクション研究って?
- 自己紹介/『ジョーズ』のサメはなぜ怖い?/分析美学とは?
- あなたの分析美学はどこから?
- 発泡酒と韓国ドラマ——美学研究の出発点/「その研究、もう流行らないよ」と言われて
- なぜ文学でなくフィクションなのか
- 大衆映画のフィクションらしさ/文学で世界を語れるか?——エントロピーの増大
- コラム① フィクションにおける感情喚起のメカニズム——岡田進之介
- フィクション研究って?
- 第二章:「ムカつく!」から考えるフィクション論
- 俺の感情を雑に扱うな
- 泣けるフィクションと泣かされるフィクションは違う/感情というコスト/鈴虫とオッペンハイマー
- 「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」
- 無音のサメは怖くない
- コラム② 主観的事実とフィクションにおける感情の喚起——梶谷真司
- 俺の感情を雑に扱うな
- 第三章:フィクションの現代——政治、アート、そしてアーカイブ
- 「かっこいい」と「正しい」は似ている
- プロパガンダとどう向き合う/ポピュリズムは民主主義の到達点?/「かっこよさ」と「よさ」
- 現代アートがやってきた
- 島宇宙ビンジウォッチャーズ
- 映画体験のゆくえ/大アーカイブ時代
- コラム③ サメ映画とゴダール
- 「かっこいい」と「正しい」は似ている
- 第四章:研究は、富士登山だ!
- 専門家と一般の綱引き
- 富士山歴史観/ロマンの功罪——「これが卑弥呼の墓です」/ただ関わる、とりあえず関わる
- 研究から自分へ、自分から研究へ
- 七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」/SF少年、考古学を志す/研究をしない考古学者
- コラム④ 「美術」「芸術」「アート」
- 専門家と一般の綱引き
- 第五章:無駄なことなんて一つもない
- 大学の先生ってそんなにいいですか
- 人文学は一人でできる
- おわりに
- 終章:鼎談を振り返って
- 梶谷真司『エリートと大衆の間で思考する』
- 折茂克哉『物語/モノ騙り』
- 岡田進之介『「当たり前」の裏にある不可思議と驚異』
- 第一章:迷えるフィクション研究者の卵
- あとがき
- ブックリスト
- 著者紹介:
- 梶谷真司
- 東京大学大学院総合文化研究科教授。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。専門は哲学、医療史、比較文化。近年は学校や企業、地域コミュニティなどで「共に考える場」を作る活動を行い、いろんな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している。近著に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎、二〇一八年)、『書くとはどういうことか 人生を変える文章教室』(飛鳥新社、二〇二二年)、『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房、二〇二三年)がある。
- 折茂克哉
- 一九九三年明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。一九九七~一九九九年ロシア科学アカデミーサンクトペテルブルグ物質文化史研究所研究生。二〇〇二年國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻考古学コース博士課程後期修了(博士(歴史学))。二〇〇二年六月東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻学術研究支援員、同年十月國學院大學21世紀COEプログラム研究員。二〇〇三年東京大学教養学部美術博物館教務補佐員を経て、二〇〇四年より東京大学大学院総合文化研究科・教養学部駒場博物館に勤務(助教)。専門は博物館学、先史考古学。
- 岡田進之介
- 二〇一九年東京大学文学部言語文化学科現代文芸論専修卒業。二〇二一年東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専修修士課程卒業(修士(文学))。現在同専修博士後期課程所属。二〇二一年十月~二〇二四年三月、国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラムプログラム生。専門は現代英米圏の美学のフィクション論・物語論。
- 梶谷真司
■ 関連情報
ジブンジンブン編集部のnoteにて制作の裏側を公開しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。