研究内容

学問概要

東大の西洋史ではその名の通り、主に西洋各地の歴史を研究しています。といっても扱うテーマは非常に多様です。時にはヨーロッパ以外の地域も対象になり、時代も古代から現代まで、テーマも政治に経済から日常生活のあり方、果てには「歴史とは何か?」という大問題まで。現代に残る過去の痕跡をもとに、一人一人が自分の問いへの答えを探していく学問です。

基本的な書籍

各テーマの最新の論点:金澤周作監修『論点・西洋史』ミネルヴァ書房、2020年。
各国史:山川出版社の『<世界歴史体系>〇〇史』、『〇〇史研究入門』シリーズ
そもそも歴史って何?と思った方には:福井憲彦『歴史学入門』岩波書店、2019年
より詳しい議論は、遅塚忠躬『史学概論』東京大学出版会、2010年など。

留学

研究室が独自に渡航を手配しているわけではありませんが、やはり外国が研究対象なだけあって、留学する学生が多いです。特に博士課程ではほぼ全員の学生が各研究対象の地域の大学に渡ります。しかしその段階以前では留学必須!というわけでは無いので、留学するか否かも各学生の裁量に任されています。

時間割・授業

学科の授業は、主に演習(ゼミ)と特殊講義の2つがあります。演習では、学術書や史料の読解と議論を行いながら、語学習得と歴史研究のプロセスを学びます。特殊講義では、各教員が自身の研究内容や関心に従って講義を行います。内容は教科書的なものではなく専門的ですが、歴史学者が実際に行っている研究を窺い知ることが出来ます。

卒論

外国語文献を使用すること、主に「西洋(ヨーロッパ)」の「過去」について考えるという、前提条件はありますが、基本的にテーマは自由です。対象はある程度絞る必要はありますが、いままでも法律や教会の制度、教育に芸術、スポーツと本当に多様な主題の卒論が出されています。過去の研究題目は研究室のHPに記載されています。

高校までの繋がり

高校までの勉強との繋がり

世界史(特に世界史B)の知識を前提に授業が進みます。未履修の場合、学部に進む前に基礎的な内容を学ぶことをお勧めします。また外国語文献を扱うため、英語およびその他の外国語の知識が求められます。なお、西洋史に限りませんが、大学では自分の問いを見つけ、考えていく力が大事です。日頃から「なんでだろう?」「本当かな?」と考える癖をつけると良いと思います!

受験で必要な科目

世界史、英語、国語(読解する、考える、表現するという力が重要になってきます)。

進路

就職先・大学院進学

卒業生は、マスコミ・出版、金融・保険、サービス、製造、商社など、各種の一般企業、国公務員、地方公務員、高等学校の教員など様々な職種に就職しています。また年にもよりますが、大学院に進学する学生も比較的多いです。

関連する資格

中学・高校(地理歴史)の教員免許取得に必要な講義を受けられます。

学生の声

楽しいこと

歴史に限りませんが、色々調べたり考えたりするうちに、生活の中で今までと違った景色が見えてくることがあります。私たちは過去の全てを知ることも、過去に直接触れることはできません。しかしそれ故に「新しいこと」「知らないこと」に出会い続けることができる、たくさんの人と議論ができる。これらが歴史の大きな魅力だと思います。

できないとつらいこと

外国語で情報を収集する力が求められます。また卒論では証拠や論拠を揃え、自分の主張を明確に表現しなければなりません。これが当然にみえて大変難しく、確かな調査能力・論理的思考・表現力が必要になります。また、近年はオンラインデータベースの活用等も盛んです。各種デジタルツールの運用にも慣れておくと良いでしょう。

その他

学費・研究費用

卒論は基本的に図書館の図書やデータベースを使用しますが、時には書籍や論文を取り寄せたり、購入する必要が生じます。また大学院で本格的に研究を始めると、留学や調査のために渡航費がかかります。調査にあたっては各種奨学金・給付金等も利用できますが、研究室からは基本的に費用は支給されないため、各自が研究費用を確保しなければいけません。